人生は食事

喉に絡む痰を吐き出そうと、無理に喉を締め、声を出してみたり、唾を飲み込んだりしてみた結果、咳を出すことが効率のいい痰の吐き出し方であることに気づいた私は、気がつくと咳をし、それを気が済むまで繰り返していた。そのせいで、喉の奥が引っ掻いたように痛むのだが、痰が絡まるよりはいくらかましだろうと思った。かといって、咳が全ての痰を排除するわけではなくて、時間が経てばやはり痰は溜まる。不器用に咳を繰り返し、そのせいで喉を痛め、痰が絡まり、そして咳をして喉を痛める。
咳をすると、どろっとした痰が口内に溜まる。それを飲み込んでしまっては喉に溜まってしまうため、また咳をするはめになる。だから、ティッシュを口にあて、口内の異物を吐き出さなければならない。
咳が出るというか、咳を出すというか、だが、それ以外に身体の不調が見当たらないことを思った。気がつけば身体の重さ、だるさが抜けており、なんだか身体を動かしたいような気になった。朝、1日を購入した私は、早めの昼飯を食べていた。9月に稲刈りがあるから、田んぼの周りを綺麗にする必要がある。そんなことを考え、オニオンコンソメスープにパンをつけて食べていた。一口食べ、昨日までと同じ茫然とした咀嚼をしていたのだが、味があることに気がついた。口の中には確かにコンソメの味がしており、パンの香りも感じとることができた。私はそれを嬉しく思った。パンにジャムを塗るという昨日までの私にとって、意味をなさない行為も味覚があれば意味があるように感じ、ブルーベリージャムを塗った。ジャムの甘みを感じ、私は食事をする楽しさを取り戻した。
日中、太陽の下で草刈りをすることは全く苦に感じなかった。私には味覚があるのだから、そう思うだけで暑さがまるで平気だった。
久しぶりの健康はいいものだった。
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