第九十一回 個人的な今週のエッセイ R8.01/04-R8.01/11

お品書き
今週の映画
今年の3月、私の地元で将棋の対局がある。藤井聡太が来るというので、早速、前夜祭と大盤解説のチケットを買った。抽選なので当たるかどうかは分からない。
思えば、将棋にハマったのは去年でありYouTuberの将棋解説をみたことがきっかけだった。図書館で本を借りて、定石を知ったり、プロの終盤戦の攻防手なる閃きに驚いたり、将棋の魅力は底知れない。
将棋のチケットを買う時に登録したサイトで「U-NEXT」の一ヶ月無料体験をもらった。私はそれを3、4回利用していたのだが、難なく登録することができた。早速観たいものリストを作成した。
・攻殻機動隊
これは、前々から興味を持っていて、アニメを数話観たのだがやめてしまった。知り合いに勧められたので映画とアニメを観ようと思っている。
人体をサイボーグ化した特殊部隊を描いた作品で自己とは何か、魂はどこに宿るのか、といった哲学的な問いと、洒落た台詞回しがある。「マトリックス」などにも影響を与えたらしい。
・キング・オブ・コメディとタクシードライバー
ロバート・デ・ニーロ(俳優)とマーティン・スコセッシ(監督)の映画であるこの二つの映画、以前にも観たことがあるのだが、再度視聴したいと思っていた。
キング・オブ・コメディ
テレビショーに出演するために人気コメディアンを誘拐する話。
タクシードライバー
ベトナム帰還兵のタクシードライバーが鬱屈とした日々の中、ある計画を立てる話。
・デューン 砂の惑星
なんとなく有名だから。
・アメリカビューティー
ケヴィン・スペイシーが出ているといので。
・スーパーマン、バットマン
スーパーマンリターンズのレックス・ルーサー役にケヴィン・スペイシーが出ているというので。
昔はスーパーマンリターンズしか観たことがなかった。それにレックス・ルーサーがケヴィン・スペイシーだなんて考えて観ていない。私は役者が好きとか、そういうのはもっと後のことだから。それに歳をとると、時系列やら作品順やら、シリーズ全体に目を向けたくなってくる。なので、1980年の初代スーパーマンを観ることにし、その後にリターンズを観た。昔の映画はツッコミどころが多く、それはそれで面白かった。
・リターンズ
リターンズは初代の続きで、初代はパート1しか見ていないのだが、きっと2の続きあたりだろうと思った。レックス・ルーサーとスーパーマンはそれぞれ認識していたし、タイトル通りリターンしたわけだから、何年も地球を離れていて、帰還したところから描かれている。
ケヴィン・スペイシーの冷酷で知的な演技はやはり痺れるものがあった。拠点が崩れ始めるシーンがあるのだが、とある大事なものへの執着を捨てることにより、自分の命が助かるというものがあり、その期待値やら可能性やらを咄嗟に計算するという場面で彼の知性の高さが窺えた。
リターンズが思いの外、面白かったのでその次の「マン・オブ・スティール」や「バットマンVSスーパーマン」も観たのだが、こちらは従来のスーパーマンではなくて、ヒーローの苦悩を重点的に描かれていた。少し重い映画に感じた。
・バック・トゥ・ザ・フューチャーⅢ
1、2を観て、スピルバーグ監督の面白さを知ったわけだが、早速3も観ることにした。1、2、3はそれぞれの作品が伏線になっているから、3を観た後に1を観るかもしれない。それにところどころのコメディ要素が割と面白い。例えば主人公のマーティは「腰抜け」と呼ぶと例外なくキレる。そういった性質をストーリーと結びつけるのが、とても凄いと感じた。
この他にも観たい映画があるので、全部観れるか分からない。私は映画をそれなりに観ていると思っていたのだが、観たい映画は次々と現れるので面白い。
映画を観て覚えた俳優の同作品や監督の同作品を観たりしていれば、好きな俳優や演技、キャラクターが段々と分かってくる。好きを探している私にとってかけがえのない趣味だと思う。
苦役列車
西村賢太さんの「苦役列車」を読んだ。
この作品は芥川賞を受賞しているのだが、私が好きな部類の本だったので、久しぶりに面白さを感じた。
純文学が好きなのだが、それは変わった主人公、狂気じみた性質、というのを私が求めているからであって、全てを面白いと感じるわけではない。
純文学は人の内面を表現するものであり、芥川賞は新しいものを評価するものである。最近のはなんだか、多様性、多様性とうるさく視点が大きくなっているように感じてならない。もっと、個人に焦点を当てた暗いものを私は読みたい。そこで、私は私が好きな芥川賞を洗い出し、その同年の候補作を探すという作戦を立てた。
「苦役列車」は日雇い労働者カンタの酒と風俗にまみれた生活を描いているのだが、友人の一人もいないカンタが初めて友人に出会い、怠惰な生活を脱出しようと試みる様子が描かれている。
そして、特徴的なのはカンタのクズさで、読んでいて笑ってしまうような酷い悪口が多く書かれている。結果一人になってしまう。その不器用さがリアルに描かれていてとても面白いと感じた。
この作品は作者の経験を元にした私小説であるらしいので、どこまでが本当かが分からない。だから、作者本人をクズ呼ばわりしているような気持ちもなくはない。なので、訂正すると、クズはクズでも、決して嫌いではないクズさ加減のように感じる。私が嫌いなタイプのクズではなくて、友人の一人にでもいそうなタイプのクズ、それにどこか共感できるものもあるから、私自身のクズさのようなものも紛れているのかもしれない。
かなり、面白い小説だったので紹介した。古い言葉が多く使われているので、難しさもあるが、難しい言葉で浮かぶ情景が現代なのだから不思議だ。
トウミンシタイ
私は末端が冷えやすい体質であるから、冷気の漂う冬の床で、よっぽどのことがない限りは早々と布団から出ることはなかった。末端の冷える具合を誰かと比べたことはないから、私が平均的な末端冷え性ということもなくはないが、ほとんどの人が私と同じように身体の冷たさを感じているとすると、人類は冬眠をした方がいいと思うのであった。
前年に話題になった熊の出没で彼らが冬眠をせずに山を下りてくるというのがあったが、とても不憫でならなかった。腹が減り、眠気もどこかへいく。そもそも眠くて冬眠をするのかは定かではないが、長い間丸くなるというのは正直羨ましいところがある。私も冬眠をしたいと思うし、できれば、冬の間は何もしたくない。というか、すべきではないとも思ってしまう。なぜなら、寒いから。熱いものを触って反射的に手を引っ込めるのと同様にこの寒さもきっと、本能的に危険だと感じていると私は思っている。来週からはさらに寒くなると聞いた。これ以上寒くなったところで大して変わらないとも思うが、そんなことはどうでもいいから早く春が来てほしいと心から思う。
この後
この後は図書館に行くか、こたつの中で本を読むか迷っている。今読んでいる本は「わたしを離さないで」というカズオ・イシグロの名作でかなり面白いディストピアものとなっている。だが、正月に思っていたように中村文則の「遮光」をそろそろ読みたい気分だった。今週は三連休なので明日でもいいか、と思うと、また来週に引き延ばしてしまうかもしれない。どうしようと思っていると、時間がすぐに流れてしまう。そうして、夜になり、明日になり、気付けば一ヶ月が終わっている。何かコインか何かで決めた方がいいのかもしれない。迷っているということは明確に行きたいとか、行きたくないとかのない曖昧な状態であるから、やはりどっちでもいいのだろうと思う。祖父の誕生日が近いのでプレゼントを探しがてら、図書館に寄ろうかとも考えると、今日ではなくて明日でもいいような気がしてくる。そもそも、なぜ今日、外に出ようかと思っているのかも分からない。私は出不精であるから……。
出ようか。そして、すぐに戻ってこようか。
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