秋田旅行day2の出来事

秋田旅行day2
乳頭温泉郷から田沢湖畔までのバスに乗った。田沢湖畔には田沢湖を一周するバスがあり、田沢湖一周20kmを右回りか、左回りかで周回してくれる。10分ほど経ってからくるそのバスに乗る予定でいたのだが私は朝、温泉に入っていたので軽い脱水症状があった。喉の渇きを癒そうとバス停から見える自販機に向かった。すぐに戻るはずだったのだが、木々の間に田沢湖が覗き、その日は快晴であったから空一面の青がそのまま湖に写っている。それがとても澄んでおり、とても美しかった。その時はまだバス停に戻るはずだったのだが、砂浜を歩いて、綺麗な石を見ていると、たつこ像まで歩こうという思いつきがあった。これは一種の衝動、あるいは悪魔の囁きのようなもので、私が従うべき声だった。たつこ像へ歩き始め、後ろからバスが追い越して行った。
元々決まっていた計画をなぞらず、アドリブを入れるのは、私の趣味みたいなものだった。あるいはノートの余白に絵を描くようなものだろうか。
道を歩いてすぐに異変を感じた。私はてっきり、湖の周りは全て砂浜であるとか、歩道があると思っていた。しかし、そんなものはなく、岸には湖に突っ込むようにして生えた木が生えているだけだった。歩く場所は車道であり、その車道は白い白線がなかった。つまり、歩くことを想定されていない道路ということになる。すれ違う車は訝しげに私を見ているようで私は対向車が見えるたびに反対側を歩いた。車の通りはそれほど多くはなかったが、じっくりと見られているようで私はなるべく平然を装った。1kmほど歩いたところで「たつこ像 9km」の看板が見え、引き返そうかと思ったが、バスはつい先ほど追い越して行ったばかりだった。次のバスは2時間後になり、たつこ像までの9kmも2時間ほどだった。私は、熊がいてもおかしくなない道を歩き、かろうじて道だと呼べる場所を歩いた。錆びた橋があったからそれを渡った。たまに走ったりもした。
たつこ像を見た時、それほど大きな感動を覚えたわけではなかった。だが達成感は確かにあり、これこそが一人旅の醍醐味だと私は実感した。
その後、私は無事にバスに乗り、田沢駅まで向かった。早く乳頭温泉郷へ戻ってもよかったのだが、と、そこで土産買っておくことにした。時間が空いたので次の日にやろうとしていた土産の購入を先にこなしておこうと思った。
大釜温泉に戻ると、初日にいた客とは別の人たちがいた。40代後半くらいの男性と二人組の女だった。夕食の席で酒を飲みながらその男性と話をしていた。出張がキャンセルになり、大釜温泉に泊まりにきたらしく、学生時代に来たことのある鶴の湯へ入りに来たのだという。大沢温泉という宮沢賢治が好んでいた温泉があると聞き、私は次にそこへ行くことを決めた。
day3に続く。
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