残り何年

私の脳内

通夜があった。私は故人とはあまり関わりがなく何度か同じ空間にいたことはあったがそれは子供の頃の記憶であるから、あまり詳しいことは覚えていなかった。参列者たちは白髪が混じっている人が多い。私は、ぼーっと焼香をあげる参列者たちの後ろ姿を眺めていた。私の祖父と故人は10歳ほど差があったから私の祖父もあと10年すれば亡くなってしまうのではと考えていた。私はなんだか悲しくなった。むしろ10年持てばいいと考えた方がいいのかもしれない。10年生きると思って、それよりも先に逝ってしまったらなんだか後悔しそうだと思ったからだ。人はいつ死ぬか分からないし、むしろ生きていることが奇跡に近いのだと思う。祖父との思い出を頭に浮かべていると、YouTubeで紹介された店の食べ歩きであったり、畑仕事を教わったことであったり、私が横転させたトラクターを引き上げてもらったことだったり、私は子供の頃よりも今の方が世話になっている気がする。仕事を辞めていなければ家族との時間も減っていて、もしかしたら祖父のことを知らないまま祖父との別れが来たかもしれなかった。私が家の手伝いをしたいと思ったのはそういった理由もあったのかもしれない。

人は死ぬし死んだとしても頭の中で残り続ける。だが、死んでしまうと話ができないし感謝も伝えられない。だから、今のうちに感謝を伝えたり何かお返しをしなければならないと思う。私は近くの人が死ぬたびにそう思う。

 

 


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私の脳内

Posted by yuuya yamaguchi