スイカには麦わらを敷く

夏になると、毎年楽しみにしていることがあった。
それは、祖父の作るスイカに齧りつくことである。
祖父の作る甘くて大きなスイカは果汁がたっぷりだ。口元がビチャビチャになるのも気にせずに思い切り齧り付くと、私は夏を感じる。
去年、私の祖父は腰を悪くし、動くことが難しくなってしまった。元々、山歩きをする人だった祖父は体が丈夫だった。そんな祖父が、顔を顰めながら生活をしている姿を目にし、私は恐怖を感じたのを覚えている。体が動かない祖父に変わって手伝いをし、スイカの作り方などを教わった。私は祖父の味を引き継いでいこうと思った。
スイカというのは内向的な性格をしていると思う。麦わらを敷かなければ、重くなった実が落ちて実らなくなってしまう。知り合いの麦農家からもらった麦わらをスイカの苗の根元に敷き終え、環境を整えた。これで夏が来る。
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