きなこちゃん

二週間ほど前だろうか、私の家のうさぎはカリカリとしていた。気に入らないことがあるのか、ブーと低い音で鳴き、前足で土を掘るような動作をしてくる。干し草が入った皿の近くで粗相をしたり、私が撫でようと手を伸ばすも前足を上げてパンチをしてくることもあった。のだが、ここ最近は落ち着いてきたのか私のすぐ近くに寄り、撫でてくれと鼻でつついてきたりもする。私が手を伸ばし軽く撫でてやると、顎をカーペットに擦り付けるほど体勢を低くし、まるで餅が熱によってとろけるように力が抜けていく。頭を撫でられるのが好きなので、ゆっくりと頭を前後に撫でると今度は目を細め、眠たそうな表情をする。動物が眠たそうにしている姿は相手に気を許しているように無防備で、こちらも眠たくなってくる。
夏になると、固い毛に換わるようなのだが、私の家のうさぎは、まだ柔らかい毛のままだった。部屋の床や空気中には毛が舞っており、それが服に纏わりつく。手のひらでうさぎの綿のような毛をなぞり、ころころと固めようとすると、たんぽぽの白い塊のようなものが完成する。私は、その白い塊を見るたびにぬいぐるみでも作れないかと思う。毛をまとめておき、それを布か何かに包めば、クッションのようなものが完成するかもしれない。
ちょうど、うさぎが近寄ってきた。撫でてあげよう。
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