夏か

窓を開けて風を通しても、裸足をフローリングの床においても、夏の暑さから逃れることはできないことを知った。昼間の風はねっとりと私の肌に張り付き、冷えたフローリングも肌の温度によってすぐに温まる。文庫本のページを捲る指が少し湿っているせいか、紙には皺が寄っていた。暑い。とにかく、暑い。何をしていても、どこにいても、肌には汗が浮かんでいる。エアコンのリモコンを手に取ったが、そこで電源を入れでもすれば、夏に負けを認めているような気がした。コップに氷と水を入れる。氷が陶器とぶつかりカラカラと音がする。どこかで風鈴の音がした。夏の暑さが少し和らいだ気がした。
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