きれいな川

私の脳内

目障りというか何というか、その木は邪魔だった。道を通るため、その木の垂れ下がった枝をわざわざ避けなければならない。尖った葉っぱが頬を擦る。先日降った雨のせいだろうか雫が私の肩を濡らした。私はその木の枝を切ろうと思った。わざわざ頭を低くして道を通る必要はなくなり、そしてなにより見栄えが良くなるはずだった。すっかりとその場に同化している木は、自分が邪魔をしていることなどを知りもせず項垂れたように影を落としていた。

草刈り機を使い枝を切る。ある程度太い枝を切るためにはエンジンの回転数を上げなければならない。私はアクセルを握った。背中のエンジンは激しく振動する。回転数が上がったブレードに敵などいない。枝は悲鳴を上げるように甲高い音を立てながら次々と倒れていく、ブレードが枝、草を刻むと私の顔に汁のようなものが飛んでくる。私はそれを不快に感じていた。だが、仕方のないことだろうと思った。先日降った雨のせいなのだから。

ある程度、邪魔な枝を切り揃え散らばった破片をかき集めると、私の望んでいた光景が目の前に現れた。それはきれいな川だった。

 


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私の脳内

Posted by yuuya yamaguchi